The!おしりのトラブル
はじめに
一心だより380号の発行です。
今回のテーマは
『The! おしりのトラブル』です。
この度のアメリカ大統領選挙では、4年前と同じく“隠れ”トランプ支持者が注目を集め、事前の予想を覆し接戦となっています。さて、“隠れ”つながりで、『隠れ痔主』という言葉をご存じでしょうか。字の通り、痔の患者さんのことを差します。おしりのトラブルや違和感に気付きつつも放置したり、市販薬での対処で病院を受診されていない痔主さんも多くいるのではないでしょうか。
はじめての受診は勇気のいることですが痔の分類に応じた必要な治療を行うことがとても大切です。一心だよりとWeb版をお読みいただき、受診への一歩を踏み出して欲しいと思います。
一心だよりは画像をタッチ。
● WEB版 ●
ここからは、WEB版です。紙面のイラストは小さいので拡大できるように掲載しました。
■ 1.切れ痔(裂肛)
女性に多い痔だとも言われ、イラストの歯状線より下の部分で上皮が切れる痔です。かたい便や勢いよく便が通過することによって上皮が切れます。女性に多い理由にはダイエット・便秘があげられます。十分な水分や食物繊維の摂取ができず便が硬くなります。また、便の量が減ると腸の働きも鈍くなりより便秘になります。過度なダイエットは控えましょう。
切れ痔は、食生活やライフスタイル(適度な運動)で改善したり防止することができます。
■ 2.外痔核
一時的な痛みや腫れは、軟膏や坐剤などのお薬で保存的に治療します。お風呂で温めることで血液の循環をよくして症状が和らぐこともあります。
便秘、トイレで強く息む習慣がある方は注意しましょう。長時間座りっぱなしのお仕事の方は、時々休憩をとりましょう。
■ 3.痔ろう
紙面にも書きましたが・・・「お薬で治すことができません。」受診してください。痔ろうは、自然に治ることがなく、徐々に悪化することがあります。
4.内痔核
今回のメインとなる内痔核ですが、肛門の歯状線の内側にうっ血によってしこりをつくったものになります。状態によって4段階に分類されます。
岡村一心堂病院では内痔核に対して、切らずに治す 注射による内痔核硬化療法 ALTA療法(商品名:ジオン注)を2018年から始めました。注射により内痔核を縮小、退縮させます。治療は1泊2日の入院で行います。傷が残らず入院期間も短いので、切除のような手術と比較すると患者さんの負担は軽減されます。
このALTA療法は、2度、3度の内痔核が対象となります。1度の場合はお薬による保存療法、4度の場合は手術が必要です。放置して分類が上がっていかないように、出血や違和感に気付いた際には、お早めに医療機関で受診してください。
ALTA療法の実施にあたっては、認定された医師のみ実施できます。
当院では、
● 総合診療科、外科:門田医師
● 外科・消化器外科:正木副院長
が実施医師となります。
岡山県の実施施設はこちらをご覧ください。(内痔核研究会ホームページ)
どこに受診すればいいの?
お尻のトラブル対応の診療科をご紹介いたします。はじめての来院などご不明な時はお問合せください。
● 痔の診療、ALTA療法対応
● 痔の診療、ALTA療法対応
肛門外来(症状別の外来)
● 来院に配慮した、女性限定で予約制の外来となります。
[診療時間]
水曜日 13:30〜15:00
他の診療科の午前午後の診療の合間時間で病院来院者が少ない時間帯になります。
● 限定はありません。
[診療時間]
金曜日 16:30〜17:30
●小児受診対応いたします。お子さまの便秘でお悩みの方はこちらをご受診ください。
[診療時間]
金曜日 13:00〜18:00
土曜日 9:00〜12:00
最後までお読みいただきありがとうございます。ご不明な点はお気軽にお問合せください。
今回の記事でご紹介している内容について、ご希望の治療方法であったり、全ての症状で必ず診療をお約束するものではありません。状態によってはより専門的な医療機関をご紹介する場合もございますので予めご了承ください。